診察について

治療について

治療についてできるだけ歯を削らないように、抜かないようにを基本として、患者さんの同意が得られれば可能な限りの診療をするよう心がけています。

また、なによりも自分がされてはいやな治療は患者さんにもしないようにしております。

治療内容について

当院では、補綴(差し歯、噛み合わせ、入れ歯)の治療に、重点をおいています。

補綴学の視野から口腔全体を見渡し、それによっておこる歯周病などの病気を治療しています。
また、患者さん自身が少しでも御自分の口の中に興味を持っていただけるよう、説明および定期検診を行っております。

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治療内容

歯について

歯について「虫歯になりやすい体質とかはありますか」という質問をよく耳にします。
これは、乳歯と永久歯がいつごろできるのかを知っていただく必要があります。

乳歯がつくられるのは、胎児のときにほとんどができ、歯冠(歯の頭の部分)が11カ月頃に完成しますので、胎児の成長が思わしくないと齲蝕になりやすい歯になってしまいます。

一方、永久歯は最初に6才臼歯ができて、出生と同時にエナメル質(歯の表層)の形成が始まります。これは12才臼歯の歯冠が完成する7、8才頃まで続きます。従って虫歯になりにくい歯を作ろうと考えれば7才位まで十分にカルシウムを摂取しなければなりません。

さらに、しっかりとした歯を支えるための根の完成を考えると、乳歯で1.5~3才まで、永久歯においては9~16年もの間に順次形成されてゆきます。

歯根は歯周病と関連があります。歯根が十分に形成されなければ、歯根の長さは短くなり、歯周病にかかった時に十分抵抗することができなくなります。

また、歯の欠損が起こったときにブリッジや部分入れ歯を入れることになりますが、支えるための根が弱いと多くの歯を使用して支えることになります。

ここまでは歯の形成過程において栄養の必要性の話をしましたが、歯ができてしまえば歯の母体であるカルシウムは必要ないかといえばそうではありません。骨と同様に歯もまたカルシウムの貯蔵庫なのです。カルシウムが欠乏すれば、歯や骨からカルシウムが放出されます。

従って、日常から十分なカルシウムを摂取していただかなければ、せっかく強い歯であっても弱くなってしまいます。具体例では妊婦さんにみられるようですが、妊娠中は胎児に養分がとられるために、出産後歯が弱くなる人が珍しくありません

虫歯の予防について

虫歯の予防について歯医者さんに行くとうるさいくらい歯磨きのことを言われると思いますが、実は歯磨きの仕方には個人の癖があり、たとえば右利きの人は歯の左側、左利きの人は歯の右側 というようにそれぞれの人によって磨きにくい場所があるので磨けていない部分を歯科医院で指摘してもらって、そこを重点的にみがけば、それほど神経質になって歯磨き をする必要はないのです。

「歯ブラシはどの固さがよいですか」という質問もよく受けます。

歯と歯の間にブラシの先がとどく必要があるので固い歯ブラシはお勧めできません。
そして固い歯ブラシを使用したり、力をいれて歯磨きをしたりすると歯肉が退縮したり、歯が削れて磨き傷 ができたりしますのでこれもいけません。

お子さんの場合、歯が出てきてしばらくの間は、歯の表面からもカルシウムをとりこんでいますので、お子さんの歯は絶えずきれいな状態を持ち続けなければ、表面から吸収することはできなくなってしまいます。

歯の病気と治療について

歯の病気と治療について歯の病気については2種類あります。1つは虫歯、1つは神経の治療です。
虫歯が軽い状態だと削ってつめるだけです。
歯の中央部が虫歯の場合、固い歯質におおわれているためレジンというプラスチックで つめたり、金属をつめたりします。

歯の周辺が虫歯になった場合は型をとって金属で直します。
方法的には従来とかわりませんが、この材料と機械の発達もめざましいものがあります。
たとえば、型を採る材料は粉と液をまぜて練るわけですが、手で練るとどうしても空気が入り精密な型がとれません。そこでこれを練る機械が普及し始めています。
また、これに使う金属は、通常(保険では)銀色をしたものですが、歯の表面を覆っているエナメル質と同じ固さのものを望むならば金が一番似ています。ですから、わざわざ保険の範囲をはずれて、金をいれたりするのです。

また、近年、審美的な欲求が高まり、奥歯のつめものであっても白いもの(陶器とレジンを混ぜ合わせたもの)でつめれるようになりました。
「昔、子供の虫歯は軽いうちから治療すると悪くなる速度が速くなると聞いたことがあります。本当のところどうなのでしょうか」という質問を受けることがあります、このことには2つの原因があると考えられます。 1つはレジンによるもの、1つはだ液によるものです。

レジンとは歯を削った後につめるプラスチックのことで、この材料の性質として固めると収縮する性質をもっています。従って、この収縮のためにせっかくつめても歯との間にすき間が空いてしまい、再度虫歯になりやすくなってしまいました。

しかし、近年の材料の進歩は目覚ましく、その点での心配は無くなりました。第2にレジンをつめる直前には歯の表面が乾燥している必要がありますが、こどもはだ液が多いのに加えて口の中が小さいのでどうしてもぬれてしまう可能性があります。
2年程前から、固めるのに30秒かかっていた物が5秒で行える機械が開発され、この心配も少なくなりました。

歯の中央部には神経が通っている管があります。虫歯が進むとこれに達してしまい、終わりの見えない治療となってしまいます。
この治療を平たくは「神経をとる」といいますが、管の神経を機械的に除去します。これが簡単に除去できればよいのですが、これがなかなかそうもいきません。というのは、歯は硬いため緻密なものと考えられがちですが、実はそうではなく象牙細管と呼ばれる細い管の集合体なのです。ですから歯を削るときに痛い思いをしたり、麻酔を打ったりするのです。

話は少しそれかかりましたが、神経は主に物理的な作業によって除去されます。
しかし、先にも述べたように歯は細い管の集まりで、多くは1本の歯に200本の細い神経が存在することもあると報告されています。ですから神経管は容易に機械的に掃除することができません。そこで、薬を使うわけです。神経の治療が始まると、あっという間に治療が終わってしまい、もっと時間をかけて見て欲しいとの不満がでてきますが、機械的な神経の除去が終わってしまえば薬を交換して、枝葉の神経管が無菌になるのを待つほかはないのです。

また、薬といえども口の中で使用する薬ですからそれほど強い薬が使えるはずもなく、地道な治療をしていくほかはないのです。ですから1本の歯を治すのに3ヶ月かかったりするのは、しかたないことなのです。
ここで先を急いで治療を終わらせてふたをしてしまうとこの細菌の多くは嫌気性菌(空気を嫌う細菌)ですので歯の内部に進入した細菌の運動は活発なものとなり、こんどは歯の先端の骨を溶かし始めてしまいます。

補綴(さし歯、かぶせもの、入れ歯)治療について

補綴(さし歯、かぶせもの、入れ歯)治療について聞きなれない言葉ですが読んで字のごとく、失ったものを補い綴ることです。

  • さし歯、かぶせものについて

神経の治療が終われば、歯にコアとよばれる土台をたて、クラウンとよばれるかぶせものをします。
歯の神経を取ると、ちょうど根を切り取られた木のように乾燥してもろいもの状態になります。そこで歯の神経の管があった中央部に土台をいれて、歯の補強をおこない、うえからさし歯やかぶせもの(クラウン)をかぶせ、乾燥を防ぐのです。

保険治療を範囲では、前歯では白い歯をいれることができますが、臼歯では銀色の金属の歯と決められています。

保険治療と自費(私費)治療の違いについて

1.前歯について
保険治療では、色の自由がそれほど利きません。
これは白いものの材質がレジンというプラスチックで作るために強度が不足し、金属での裏打ちが必要となるために透明感がなく、細かい色の選択ができないのです。
これに対し自費の治療ではメタルボンドとよばれる白い陶器で製作します。これは強度に優れるために金属の裏打ちを必要とせず透明感があり、細かい色づけが可能です。

2.臼歯について
保険治療では銀色の金属ときまっています。これに対し自費治療では、金冠や白い歯があります。
金冠は、Goldでできておりこれは天然歯のエナメル質と同等の強度を有しています。このため生体との調和にすぐれています。白い歯の材料は見た目にすぐれています。

  • 入れ歯について

針金を歯にかけて歯のないところに人工の歯をいれるのが保険治療の範囲であり、一般的な治療方法です。しかし、私費治療になるとこの限りではありません。
取り外し式のブリッジのようなものや磁石を使用したものなどいろんな手法があります。

その中でどういう方法で選んで入れ歯を作るのか?
個人によって歯の大きさや硬さ、 骨植の状態、粘膜では固さや幅、傾斜角などさまざまですので、これがよいと言い切れる決まった方法や入れ歯の仕組みはありませんのでお口に合った仕組みを持つ入れ歯の選択が必要です。
古くは、部分入れ歯は総入れ歯の1つの過程に過ぎないと言われていましたが、現在 ではそれなりの治療を行えば、食い止めることもできるようになっています。

歯槽膿漏について

歯槽膿漏について歯に虫歯がないから、大丈夫というわけではありません。歯槽膿漏は、本来歯の清掃が十分に行われないために細菌によって引き起こされる歯の周りの骨の病気があります。

歯が清掃されていないと歯垢がたまり、この中に無数の細菌が住み着くために歯茎に炎症が引き起こされます。これを長期間放っておくと、歯垢が石灰化し歯石となります。
こうなると歯ブラシで除去することはできず、そのうえに歯垢がたまり、さらに歯石が積み重なり、だんだん大きくなっていきます。

そうこうしているうちに、細菌によって歯の周辺の骨が溶け、歯が動き始め、今度は今まで全部の歯できちっと歯全体で噛んでいたはずが、動き始めた歯が最初にあたるためにこの歯に力が集中してさらに動揺を増し、最後には歯を支える骨がなくなって抜け落ちてしまいます。

「歯槽膿漏は直りますか」という質問もよく受けます。

元通りに健康な骨を回復 できるかといえば「NO」です。しかし、進行をとめることは多くの場合できます。それには2つの作業が必要になってきます。

1つは、スケーリングとよばれる、歯石をとる治療です。
歯石をとることで、歯垢をつきにくい歯にします。また、医院によれば、さらに細かい歯石やヤニなどをとるため の機械を設置しているところもあります。いずれにせよ歯槽膿漏かなと思ったらもう歯ブラシだけでは直せませんので、歯石を採ってもらうのがいちばんです。

2つめは、噛み合わせのバランスをとることです。
一度歯がぐらぐらすると歯の噛み合わせが変わってしまい、全部の歯に均等に力がかからず一部の歯に過剰な力が加 わって、その歯をさらに増悪させてしまいます。そこで噛み合わせのバランスをとるために虫歯になっていなくても、歯をすりあわす治療が必要になります。

他方、歯科医院の考え方によって違いますが、グラグラした歯を固定する先生もいらっしゃいます。これについての考え方について2分されており、回答が得られていない状態です。

抜歯について

抜歯について子供の歯の抜歯について「乳歯が抜けないままその横に永久歯が生えてきましたが、放置しておいてよいのでしょうか」という質問もよく耳にします。

最近歯の抜けにくい子供が多くなってきているそうです。
その原因として、よく言われているように固いものを噛まなくなったために歯に刺激が加わらず、後から出てくる永久歯にはえる力がなくなってきているそうです。

また乳歯が生え変わるときには乳歯の根が吸収されて、短くなりぬけおちるのですが、永久歯が乳歯の真下ではなく横から生えてくるために乳歯の根が十分に吸収されず抜け落ちないことが多く見受けられます。この場合には、抜け落ちるのを待たずに抜かなければなりません。

親知らずの抜歯について、これは言い切ることのできない話なのですが、従来ですと親知らずは抜くものだとされてきました。そしてこの考え方は十分に生きています。

しかし、ここ数年8020運動に代表されるように歯を1本でも歯を残そうという考えがあるのと、痛くも何ともない歯をなぜ痛い目をして抜かなければならないのか疑問視されてきています。

また、100%確立されているわけではありませんし、私費治療になるのですが、歯の移植という手法がなされるようになってきました。ですから、歯を抜くことはいつでもできるのだから、よく考えたうえで同意して欲しいと思います。

最後に

最後に歯はあきらめないで1本でも大事にしてください。

歯の周りには物を噛んだことを知らせる感覚受容器というものが多数あります。

これは口の中の皮膚にも存在しますが、数的に前者は比べ物にならない程多く、そして性能的に比べものにならないくらい位、精巧なものがあります。

また他方、歯の感覚受容器が脳の神経を刺激してボケを防ぐ効果があると言われています。
また、総入れ歯だからもうだめだとあきらめる必要もありません。

噛めない、また、噛みにくい入れ歯が噛めるようになったら、ボケが改善されたという報告も数多くあるくらいですから、くれぐれも物がしっかり噛める環境を維持することが必要です。

診療時間

日・祝
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:訪問診療
定休日:木曜・土曜午後、日曜日、祝日

診療は基本的に予約制となっております。
ゆっくりと受診していただけるようあらかじめお電話にて予約していただけたら幸いです。